日誌

地学部日誌

卒業巡検(春合宿)

春休みに突入し、地学部は群馬に巡検に行きました。
今回は群馬県立天文台。3年生の卒業巡検も兼ねています。
四万温泉の上流、奥四万で電気石が出るということで、行ってきました。
結果、水晶がたくさん取れました。水晶に交じって無色透明の針状結晶も。
これのことなのでしょうか?典型的な普通の電気石はありませんでした。

奥四万には雪が残っており、電気石より雪投げに夢中な生徒も・・・。
寒いですが、元気なことです。


天文台では晴れている時間が短く、シリウスを見るだけになってしまいましたが、楽しんだようです。
天文台からコテージに戻り、この春卒業の生徒に寄せ書きを渡しました。色紙には生徒が石を削って作った校章が付いています。
この春卒業の三年生は2人しかいない学年でしたが、とてもよく頑張った生徒たちです。無事、大学に進学することになりました。活躍を期待しています。また、地球環境系の学部に進むということなので、OBとして地学部をサポートしてくれるとありがたいです。


翌朝は雪でした。


それでも帰りには中之条の魚類化石産地に行きました。
なかなか文献に記載の産地にはたどり着けず、植物化石のみ採集。今回はロケハンに終わってしまいました。


帰り際、中之条駅で名物?カツカレーラーメンと焼きまんじゅう。冷え切った体に沁みますね。
帰ったら新入生の勧誘です。頑張りましょう!
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2016冬合宿

去る12月26日~28日、大滝げんきプラザにて冬合宿を行いました。
例によって川越女子高校と合同で、今回は朝霞高校さんともご一緒することができました。
我々川越高校は終業式の後出発です。
川越女子高校さんはなんと部活外からも募り、約20名が参加。我々とは気合の入り方が違います。
1日目、天気はあいにくだろうと思いきや夜からよく晴れました。各校とも寒いながらも楽しく観測できたのではないでしょうか。風が強くなり、研究用の観測には入れずに終了しました。
2日目の昼間、川女さんの希望によりダム見学。職員さんにダムの仕組みと機能を説明していただきました。


本来ならば秩父鉱山にもいこうという計画でしたが、天候不良により断念。ここで川女さんとはお別れです。
小鹿野の地質見学をして宿に戻りました。
バッチリの予報が出ていた2日目の夜に本格的に研究用の観測を行おう、と考えていたのですが、なぜか曇り・・・。霰まで降り始める始末。仕方がないので天候の回復待ちで2時すぎからようやく観測できました。はじめの写真はその時の様子。昨年度反省を生かして作った偏光子回転装置を40cm望遠鏡に取り付け、M1(かに星雲)を撮影しました。何とか最小限度の枚数を撮影し終えたところで雲がかかり始め、終了となりました。


3日目、二子山の下、いわゆる”山中地溝帯”の白亜系の貝化石を探すことにしました。場所は「地学のガイド」などにも掲載されており、そこそこ有名なのではないでしょうか。
かつて自分で行った時には産地がよくわからず、出なかった時のことを考えるとあまり気乗りしなかったのですが、生徒のたっての希望で行くことに。
しかし今回は!!
ありました。沢に入ってわりとすぐに転石で化石が見つかり、たどりながら上流に向かうと、そこには転石で化石が密集していました。おそらく斜面上に露頭はあるのでしょうが、やや危険なので転石を拾うことにしました。
くすのき祭の良い展示物になりそうですね。
川越女子、朝霞高校のみなさん、お世話になりました。ぜひまたよろしくお願いします。
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くすのき祭

9/3、4の2日間にわたってくすのき祭が行われました。
地学部ブースにもにも総数2000名を超えるお客様にお越しいただきました。
ご来場、誠にありがとうございました。

おかげさまでプラネタリウムは大盛況となりました。糸魚川の夜空を少しだけ体験していただけたものと思います。
恒例の化石発掘体験コーナーは早々に整理券の配布が終わってしまい、残念な思いをされたお客様にはお詫び申し上げます。
今年新たに設けた実験コーナーでは偏光顕微鏡によるチオ硫酸ナトリウムの結晶の成長をご覧いただきました。偏光顕微鏡の見せる美しい世界を体験していただきました。
糸魚川のヒスイも大変好評でした。
人手不足もあり十分な配慮の行き届かない場面もありましたが、お楽しみいただけましたら幸いです。また来年のくすのき祭にむけて頑張ってまいります。ぜひ来年もお越しください。


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明日から夏休み!

1学期が終わりました。
くすのき祭準備、糸魚川合宿、川越第一小の科学教室、電子顕微鏡体験にSSH臨海実習と、やることが盛りだくさん。言わずもがなですが課題に補習も。夏休みだからってぼんやりしてはいられません。
 今日は糸魚川巡検のしおり原稿の一次提出です。
たかがしおり、と思われるかもしれませんが、巡検の成否は事前の準備が半分です。
ですから、部長によるチェックが行われ、ダメな場合は書き直しです。勿論コピペは厳禁です。頑張りましょう。
 巡検合宿といえば気になるのは天気です。エルニーニョ明けでいきなりラニーニャ傾向?という話も、そうでもなかったらしいということになり、夏の天気が読みづらくなっています。太平洋高気圧が強まらず、前線の北上も鈍く・・・。東日本ではすっきりと梅雨明けする気配が見えません。
いわゆる「梅雨明け十日」と、新月付近を狙った日程で合宿を組んだのですが、裏目に出るかも、とやきもきしています。

 さて、写真は昨日行ったプラネタリウムドーム組み立ての様子です。
プラネタリウムは化石発掘体験と並んで、本校地学部くすのき祭のメインの出し物となっています。
ドームの肝になる天頂部をジオデシック構造としてアルミのフレームを組み、内側にシーツを張り、農業用黒マルチで外を覆って遮光します。そのままでは暑いのでエアコンの風を導入します。
シーツ張りがあまりにも面倒なのがネックですが、軽量で安定したドームになっています。
支持は下からだけでなく、実験室天井にある、便利だけど正しい使い道のわからない、あの「謎フック」で吊るしていますから安全です。
 投影機は激安円周魚眼で星空を撮影したリバーサルフィルムを原版にして、同じ円周魚眼レンズで投影します。そろそろ新しい原版を撮影したいのですが、昨年は小笠原が台風でポシャってしまい・・・。今年は糸魚川で再チャレンジします。
 5年前、はじめて作ったプラネタリウムはピンホール式のものでした。
お客様からの「ショボい」との声。ショックではありましたが、それをバネに現在まで工夫を重ねてここまでやってきました。
手前味噌ですが、工夫満載100%手作りプラネタリウムです。ぜひ一度、ご覧下さい。

 このドームもかれこれ5年は使っていますし、恒例の化石発掘体験もいつからやっているのかわかりません。 ですが、マンネリに陥らずに、フレッシュな体験をリピーターのお客様に提供できるよう、毎年少しずつですが生徒たちも新しい出し物を工夫しています。
お楽しみに。
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下仁田巡検

テストも終わり、生徒もほっと一息。下仁田町に行ってきました。
 写真は三波川帯御荷鉾ユニットの枕状溶岩。元は玄武岩ですが、変成により緑色岩になっています。今回は主に鉱物の観察を行いました。事前に入念に下調べを行いましたが、現場での観察の難しさを実感しました。しかし、山野で活動する楽しさや美しい鉱物や星空、化石などとの出会いと格別の喜びは地学部ならでは。
 しかし時として嬉しくない出会いも。今回はヤマ○ルです。2箇所目の見学地が多発地帯だったようです。奴等は気配もなく忍び寄り、気がつくと靴に・・・。
思わず号令。「撤収!」
地学部の活動では何年か前に見かけましたが、それ以来です。
ヤマビ○ならば見た目ほどの害もなく、まあ「いい経験」で済みますが、ダニやブユ、アブ、ハチなど厄介な生き物に出会う可能性が増える、これからの時季。野外活動では熱中症なども含めて特にしっかり対策・準備をしなければなりません。

 今回の巡検は当面の最大の目標である糸魚川巡検に向けた準備の一環でもあります。8月の糸魚川に向けて計画も動き始め、生徒のモチベーションも上がってきたようです。地学部の一大イベントが実りある巡検となるよう、しっかり計画を練り、準備を進めてくれることを期待します。

注 かの生物に耐え難い嫌悪感を抱く方もいらっしゃると思いますので、一部伏字とさせていただいております。ご容赦ください。
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長瀞巡検

日本地質学発祥の地、長瀞で巡検を行いました。
4/29、恒例の長瀞巡検に行ってきました。
例年通り、生徒自身で計画を立て、生徒の手により後輩を指導する巡検です。よほどのことがなければ教員は手を出しません。
片理を層理面に見立てて走向傾斜を測定したり、歩測と三角測量で距離を測ったり、岩石の種類を調べたり。やっていることも例年どおりですが、一生懸命伝え、吸収しようとする姿は頼もしく思えます。


3年生の引退式も兼ねており、ここでいったん3年生とはお別れです。ぜひ受験勉強を頑張り、希望をかなえることを期待しています。
風は強かったのですが、今年も天気に恵まれよい巡検になりました。
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寄居のヒスイ輝石岩

1年生が昨日から加入し、活動が始まりました。
今年は3名の1年生が加入しました。想定より少なめですが、小回りが利くので、それはそれで良いか、と。
早速寄居にフィールドワークに出ました。
今回のフィールドワークは3年生の希望によるもので、夏休みに糸魚川に行く前の事前準備として良いだろう、ということで実施しました。
寄居のヒスイ輝石は、この地域で稚児岩と呼ばれ、伝説が残る岩に含まれます。
近所の方によればだいぶ欠いて持って行かれてしまったとのこと。確かに稚児岩にハンマー痕がたくさん見られました。地域の文化財ともいえる貴重な岩ですから、とても残念なことです。
寄居のヒスイ輝石岩には確かにヒスイが入っているのですが、石英と混じりあい、ヒスイらしさはまるでなく、あまりお持ち帰りをオススメできるようなものではないのです。また、わざわざ叩き割りにくい稚児岩本体を叩かなくても、と思うのですが・・・。

稚児岩の下の沢ですこしサンプルをいただき、他の種類の岩石をみて今日は終わりです。来週は薄片作成をがんばりましょう。
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化石と自然の体験館 (東松山)

4月5日。もうすぐ新学期が始まります。春休みの終わりを前に、野外活動です。
あまり有名な化石産地がないようにも思われる埼玉ですが、小鹿野のようばけや今回行きました東松山の葛袋など有名な産地もあります。
ただ、この葛袋ではながらく化石採集はできませんでした。
しかしこの春4月から、葛袋の化石採集を体験できる施設が東松山に誕生!
その名も「化石と自然の体験館」。
地学部としては黙って見過ごす訳には参りません。で、早速行ってきました。
工事で出た残土をふるい、サメの歯を探します。一人で何本か見つけた生徒もいましたが、残念ながら収穫ゼロの生徒も・・・。ある程度は運次第なので仕方ないところですね。他のお客さんにはメガロドンを見つけた方もおられました。当たれば結構な数と大きさのサメの歯に出会えそうです。また再チャレンジしたいですね。
ここで見つけることができるサメの化石は歯で、中新世のもので1500万年前のものと解説されています。地学部では以前、葛袋の比較的近くで有孔虫と、ついでにサメ化石を探しています。
今回は地学部と生物部有志の新2,3年生で行きましたが、ライトな内容なのでどちらかといえば入りたての新入生にちょうど良いかもしれません。露頭での採集はもっと条件が厳しく根気も要るので、整った施設内での手軽な体験と考えればなかなか良いのではないでしょうか。昨年度は新入生が入ってすぐに、そこそこキビシイところに行ってしまい、反省しました。
化石と自然の体験館のスタッフの皆様、大変お世話になりました。

さて、新学期もまもなくスタートです。次の野外活動では新入生も入ってきていることでしょう。
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天体観測

今日は終業式でした。
そして地学部、今年度の締めくくりは天体観測です。
本当ならば校外で合宿、としたかったのですが、諸般の事情により校内での観望です。
ともあれ昨夜からの雨も上がり、天体観測日和になりました。
今日一日は冷え込みましたが、大滝のあの寒さに比べれば天国です。
しかし月が明るく、写真は木星とM51くらい。銀河を撮るにはよい時期なのですが・・・。

卒業した3年生を交えての活動はこれで最後。地学部での思い出を暖めながらの天体観測になりました。これからはそれぞれの進路を歩む卒業生ですが、活躍を期待します。
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合同合宿

またまた大滝げんきプラザに合宿に行ってきました。
今回も川女と合同ですが、SSHは関係なく、川高地学部と川女地球天文部さん(たまてん)を主体としてその他諸々の構成です。
前回のSSHの合宿とは打って変わって天気にも恵まれ、天体観測三昧です。
月もなく、風もなく、シンチレーションも穏やかで、この時季としては最高のコンディションです。
が、寒いこと寒いこと。
恥ずかしながら地学部員には舐めた服装の生徒もおりました。
大滝寒さの厳しさを思い知ったことでしょう。次からは大丈夫のはず。
下の写真はフィッシュアイで連続撮影したものの1枚。はやりのタイムラプスで動画にしてくすのき祭に出したいですね。


最近の赤道儀は自動導入が主流で、本校地学部の赤道儀にも自動導入が一台あります。
天体観測の経験が浅い生徒も、次から次へと天体を導入し、撮影していました。
自動導入は教育的にどうかなあ、とも思っていたのですが、まずは天体観測の楽しさを知ることが大事なので、まあいいか、とすこし複雑な気分でもあります。

本校もげんきプラザも同じ埼玉県立で、手前味噌の提灯記事のようですが、大滝げんきプラザ、なかなか使えます。地学部も年に一度は合宿で利用しています。
大滝げんきプラザは宿泊研修施設ですが、遠いことを除けば使い勝手や環境がよく、事前に相談すれば学校の研修プランに合わせて比較的柔軟に対応してくれるところが大変ありがたいです。
大滝げんきプラザには40㎝反射式赤道儀があり、惑星や球状星団の観望に威力を発揮します。
(使用には講習を受けるか講師を依頼する必要があります。)
この合宿ではかに星雲を偏光で撮影しました。
下は木星です。コンポジットしていない写真ではモヤっとしてしまうので眼視の感動は伝わりにくいですが、肉眼ではくっきり見えます。


帰りに正丸峠の石灰岩を見てきました。
和歌山巡検で秩父帯を見てきましたが、その関連です。
ポイントを移動しながら転石でフズリナを探しましたが、はじめはなかなか見つかりません。
ようやくひとつ見つかるとその周辺でたくさん見つかりました。
見た目からして複数種入っているようです。。薄片にしてみてみたいところですね。

川越女子の皆さん、先生方、お世話になりました。またご一緒できるとうれしいです。
これから生徒研究発表会に向けて忙しくなります。次の巡検は春休み。1年生がプランを立てる予定です。
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