地学部日誌
【地学部】毎年恒例 長瀞巡検
6月21日に毎年恒例の長瀞巡検を実施しました。例年よりも1ヶ月ほど遅い時期の開催で、時期も梅雨の時期と天気が心配されましたが、梅雨の晴れ間にでき、最高の巡検日和でした。例年通り親鼻橋→虎岩→埼玉県立自然の博物館→岩畳のルートで行いました。今年は、ここ数年とちがい巡検前に雨が降らなかったので、ポットホールの中にも入ることができ、今まで入れなかった3年生たちは特に満足そうでした。この巡検で3年生は引退となりますが、1,2年生は立派な先輩の姿を見習って、これから頑張ってほしいです。
【地学部】埼玉大学観測実習
今年度、2年生の研究が天文分野が中心ということもあり、5月27日(火)中間考査終了後、埼玉大学大朝研究室に訪問し、観測・解析実習を行いました。
観測に向けて、天文に関する基本的な知識、観測準備に関する事前学習を行い、時間をかけて観測準備を行っていましたが、あいにくの曇天により観測はできませんでした。
しかし、大朝研究室のご厚意により、曇天でもできるプログラムを組んでいただき、充実した実習を行うことができました。
前半は教育学部に所属する大学生とともに、小型望遠鏡の組立とファインダー調整を行いました。3年生はこれまでの経験もあり、すばやく組み立てられてましたが、1年生はなかなか四苦八苦しながら組み立てを行っていたようです。
後半は1年生と2年生の一部が埼玉大学55cm望遠鏡の操作の実習、3年生と残りの2年生は観測データを解析し、星団の年齢を推定する実習を行いました。
望遠鏡の操作はまず講義を聴き、その後実際に観測ドームにいって望遠鏡の操作を行わせてもらいました。普段と違い、すべてをパソコンからコマンドで操作する必要があり、実際の観測に近い経験ができました。
解析組は、すでに埼玉大学で観測してあった星団のデータを利用して実習を行ってもらいました。自分たちのパソコンに解析ソフトをインストールし、星団中の星一つ一つの明るさを測定していくことで星団の年齢を求めていきました。実際に研究に近いことができ、参加した生徒も満足したようです。
今回は曇天で観測はできなったので、晴れた日に再度観測できれば思っています。
埼玉大学大朝研究室の皆様、遅い時間までありがとうございました。
【地学部】日曜地学ハイキングで案内人
5月18日(日)飯能・龍崖山に行われた地団研埼玉支部の日曜地学ハイキングにて、地学部3年生徒・浅野空君と柿内俊人君が参加しました。
今回の巡検では、昨年彼らが研究を行っていた入間川岩根橋下の枕状溶岩もルートに入っており、昨年度の研究成果を含めて案内人の方に代わって説明を行いました。
地学部での研究成果を校外の方にもしてもらえる貴重な経験になりました。このような機会をくださった地団研の方々に感謝申し上げます。
日本地学オリンピック銅メダル
第17回日本地学オリンピックにおいて、地学部部長の浅野空君と副部長の柿内俊人君が本選に進出しました。本選では、全国から応募した1,624名のうち一次予選・二次予選を突破した61名によって、国際地学オリンピック日本代表の座が争われます。本選は3/9~11につくば市で行われ、日本代表には及ばなかったものの、浅野君が銅メダルを受賞しました。学校の内外から激励していただき、感謝申し上げます。
日本学生科学賞で入選し、読売新聞に掲載されました
地学部の研究「入間川岩根橋下に現れた枕状溶岩」が、埼玉県の科学教育振興展覧会中央展を経て、第68回日本学生科学賞(全国大会)に進出し、入選1等を受賞しました。約1年半にわたる取り組みを評価していただき、大変光栄です。応援していただいた皆様に、感謝申し上げます。なお、このことについて取材を受け、2月1日の読売新聞(埼玉版)に記事が掲載されました。
冬季合宿を実施しました
12月26日・27日に、大滝げんきプラザにおいて冬季合宿を実施しました。
風もない晴天の下、天体写真を思う存分に撮影することができました。また、スペクトル観測にも挑戦しました。
オリオン座 M42
アンドロメダ座 M31
オリオン座 馬頭星雲
おうし座 M45
ヘルクレス座 M13
2日目はおがの化石館を訪ね、地元産出化石や教科書にも載っている世界の化石を見学しました。また、おがの化石館の小幡喜一先生の案内で、国の天然記念物に指定されている露頭「ようばけ」を観察しました。
解説をしていただいた小幡喜一先生、合宿にご一緒させていただいた伊奈学園総合高校地質天文部の皆さんに感謝申し上げます。
科学展で教育長賞を受賞しました
第75回科学教育振興展覧会中央展において、地学部(部長:浅野空君)が出展した「入間川岩根橋下に現れた枕状溶岩」が県教育長賞に選ばれ、第68回日本学生科学賞(全国大会)に進むことになりました。この研究は、飯能市の入間川に沿って遊歩道が整備された際に現れた岩石が、枕状溶岩であることを明らかにしたものです。露頭観察および顕微鏡観察を地道に行って得た成果を評価していただき、大変光栄に思います。
くすのき祭、ご来場ありがございました
9月7日(土)8日(日)に「くすのき祭」が行われました。
他の参加団体に負けじと地学部も、日頃の研究活動の成果や巡検、合宿のようすを紹介しました。また、化石発掘体験や断熱膨張・断熱圧縮の演示実験を楽しんでいただきました。地学好きが、増えてくれたらと思います。たくさんのOBにご協力いただき、ありがとうございました。
箱根ジオパーク、伊豆半島ジオパークを訪ねました
地学部は8月8日~10日、「火山」をメインテーマとして夏季合宿を行いました。箱根大涌谷では現在の火山活動を、三島市では約1万年前の富士山の溶岩流とその末端からの湧水群を、伊東市では大室山と約4千年前の溶岩流でできた城ヶ崎海岸を、汗まみれになって観察しました。
箱根ジオミュージアムを見学し、名物「黒たまご」を頬張ります。
大涌谷自然研究路を、係の方の引率で見学しました。
三島スカイウォーク(全長400m 日本一長い歩行者専用つり橋)。富士山が見えなかったのが残念。
三島駅周辺には、約1万年前の三島溶岩流と湧水群が存在します。
「楽寿園」には湧水池が存在し、縄状溶岩が観察できます。
「鮎壺の滝」にも三島溶岩流が現れています。
丹那断層公園では、1930年北伊豆地震による横ずれ断層が観察できます。
大室山は約4千年前の噴火でできたスコリア丘で、山頂にはリフトで登ります。
城ヶ崎海岸には、大室山の溶岩流が広範囲に分布しています。
大淀・小淀は、溶岩に柱状節理が発達しています。
火山三昧の3日間でした。
早稲田大学材料実験室を訪問しました
探究テーマの一つである枕状溶岩に関連して、7/26(金)に早稲田大学西早稲田キャンパスの材料実験室を訪問し、熱処理による鉄鋼の特性変化についての実験を体験させていただきました。
午前中は、今春卒業した地学部OB川角周さんの案内で、本部キャンパスを見学しました。
大隈講堂前で
午後、西早稲田キャンパスへ移動し、材料実験室を訪問しました。
実験の手順の説明を受け、実験着に着替えます。
鋼材の熱処理についてご指導してくださったのは、川越高校卒業の三野峻さんです。
炉で900℃に加熱した鋼材を、一気に水冷させます。
熱処理していない鋼材と熱処理した鋼材の違いを、実際にハンマーで叩いて実感します。その後、シャルピー衝撃試験により、その相違を定量的に比較します。
さらに、光学顕微鏡によって組織の相違を、電子顕微鏡によって破断面の相違を観察します。熱処理をした鋼材には、枕状溶岩と同じような組織が現れることが分かりました。
川越高校OBの三野峻さんをはじめ材料実験室の皆様には、ご準備、ご指導に多くの時間を割いていただきました。今後の探究活動に活かしていきたいと思います。どうもありがとうございました。